京都市バス・京都バス一日乗車券 十四日目

東福寺(とうふくじ)・御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)

2014・11・17 晴れ 18℃

500円で巡る京都・十四日目。今回は東福寺で通天橋の紅葉を楽しみ、伏見の名水「石井の御香水」で有名な御香宮神社を尋ねる予定である。

京都駅前(208系統)→東福寺

京都駅前D2乗り場 今回もいつも通り京都駅前よりスタートD2番乗り場から京都市営バス208系統に乗り込み東福寺を目指す。

東福寺(とうふくじ)

東福寺01

東福寺・通天橋(臥雲橋より)京都駅前から東福寺までは約10分。紅葉のシーズンということも有りかなりの人出である。6,7分歩くと臥雲橋(がうんきょう)に到着する。ここからの眺めも素晴らしく、下には洗玉澗(せんぎょくかん)があるのだが紅葉に埋もれて見えなくなってしまう程である。洗玉澗には西から臥雲橋、通天橋、偃月橋の3本の橋がかかっており、東福寺三名橋と呼ばれている。

東福寺・禅堂・本堂 先へ進むと左手に禅堂が現れ、奥には本堂が見える。さすがに大本山ともなると禅堂も大きく、当時は400名以上が修行、生活の場としていたという。

東福寺・東司 禅堂の隣に建つのは東司(とうす)、所謂トイレである。トイレではあるが室町時代唯一、日本最大最古の禅宗式の遺構であり、重要文化財に指定されている。現代のトイレとは違い穴があるだけの仕切りも何もない簡素なものだが、作法は厳しく、トイレとはいえ修行の一環だったらしい。仕切りもなにもない無防備な姿を晒すことにより何か精神的なものを養うのだろうか。

東福寺・三門 東司を出るとすぐに三門を見ることができる。現存する禅寺の三門としては最古になるそうで国宝に指定されている。

東福寺・浴室 東司から三門を挟むようにして建っているのは浴室。長禄3年(1459年)に建てられた京都最古の浴室建築の遺構と言うのだから約550年前に建てられたことになる。こちらも重要文化財に指定されているのだが、ここ東福寺は国宝、重要文化財が非常に多い。聞く所によるとその数は5,000を超えるというのだから700年を超える歴史は伊達ではない。

東福寺・方丈 続いては八相の庭とも呼ばれる方丈庭園を拝見するため方丈へ向かう。拝観料400円を納め庫裡より方丈へと入る。長い歴史を誇る東福寺の中において方丈は明治に入ってからの再建で、庭園に至っては昭和14年に作られた新しいものである。東福寺・方丈庭園 とは言え名作庭家・重森三玲(しげもりみれい)の手による方丈庭園としては唯一の四方の庭はモダンさと禅寺らしい質実剛健さを感じる素晴らしいものであった。東福寺・通天橋 さて次は今回の目玉とも言える通天橋からの紅葉なのだが、拝観料400円を納め橋へと進むと平日にもかかわらずかなりの人だかりである。紅葉を楽しむには些か賑やかではあるが自身もその中の1人であるのだから致し方無い。東福寺・通天橋より

東福寺・通天橋紅葉 先ほどとは逆に通天橋より臥雲橋を眺めることになる。まさしく雑誌などで見かける写真そのものの風景が広がり、天の配剤とも言える深い紅から黄金色へと変化する美しいグラデーションは名所と言われるにふさわしい素晴らしさであった。かつては桜が大変美しく、修行の妨げになるとのことから全て伐採されたというが、その後、紅葉の名所になるとはお釈迦様は見抜いていたであろうか。東福寺・常楽庵開山堂 続いて向かったのは常楽庵開山堂である。聖一国師(しょういちこくし)こと開山・円爾(えんに)を祀っている。円爾は没後の応長元年(1311年)日本で初めて国師号を花園天皇より賜ったというほどの高僧で、静岡茶の始祖と呼ばれたり、博多祇園山笠の起源とされていたり東大寺の第10代大勧進職を務めるなど臨済宗以外の宗派でも活躍し、信望を得ていたそうだ。そして、この常楽庵なのだが手前の昭堂の中央の楼閣・伝衣閣(でんねかく)は金閣、銀閣等と並び「京の五閣」とされている。

東福寺・常楽庵前庭 参道両脇は前庭になっており、東側には球状に刈り込まれた低木や様々な石、そして池やそれにかかる石橋のある緑が美しい築山風の池泉式庭園、西側は市松模様がつけられた白砂に鶴島と亀島代わりの石組みのシンプルな枯山水という対照的なデザインになっており見比べると非常に面白い。

東福寺・洗玉澗より

東福寺・洗玉澗紅葉 さて東福寺の最後は洗玉澗からの紅葉である。下から仰ぎ見る形になり先ほどとは違った趣と迫力がある。ここらで時間の関係上次へ向かうのだが、広大な東福寺、又春にでも訪れてみたい。

東福寺(208系統)→京都駅前(81系統)→竹田駅東口(南8系統)→御香宮前

次の目的地、御香宮神社へ向かうため一旦京都駅まで戻る。が、京都駅から御香宮神社までのバスがないということで乗り継いでの行程になってしまう。京都駅前C4番乗り場から81系統に乗り、まずは竹田駅東口を目指す。

御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)

御香宮神社・表門 竹田駅東口から南8系統というミニバスを使うことになったのだが本数の関係上、東福寺から1時間以上かかってしまった(実際にバスに乗っていたのは40分ほど)事前の計画の甘さに反省しつつ御香宮神社・表門に到着。もとは伏見城の大手門だけあってその重厚さはさすがの風格である。

御香宮神社・鳥居跡表門から中へ入ると奇妙な石が置かれている。立て札によると大手筋の鳥居の基礎だということだ。少し離れたところには伏見城跡の残石が積まれており、伏見においてこの神社が特別なものなのがわかる。

御香宮神社・拝殿 さらに中へと進むと拝殿が見えてくる。紀州徳川家の祖、徳川頼宣の寄進ということで平成9年に修繕された正面の破風は細工も細かく、彩色も鮮やかで非常に華麗である。

御香宮神社・御香水石碑 本殿の東に御香水の石碑が建てられている。「石井の御香水」と呼ばれる伏見七名水の一つで名水百選にも認定されており、徳川頼宣、頼房、義直の各公は、この水を産湯としたと言われている。季節柄なのか、東福寺の後に訪れたからなのか参拝客も少なく、なんとなく寂しい。

御香宮神社・石庭 気を取り直して向かったのは石庭、小堀遠州が伏見奉行に命ぜられた時、 奉行所内に作った庭園の石を戦後移して作ったものである。庭としては新しいものだが手水鉢には、文明九年(一四七七)の銘があり、また後水尾上皇が命名した『ところがらの藤』も移植されているなど時代を引き継いだ庭になっている。

16時も過ぎ、日も西に傾いてきた所で本日はここまで、大手筋を少しぶらりとして帰るとしよう。

西大手筋(81系統)→京都駅前

大手筋商店街を20分ほど掛けてぶらりと歩き、西大手筋のバス停からは京都市バスの81系統で京都駅前に向かう。30分もすれば到着、本日は終了。

今日のまとめ

今回はやっと本格的な紅葉にお目にかかれた回であった。通天橋の紅葉は評判にふさわしい素晴らしい光景であったし、あの人出も次の連休に比べれば少ないのだろうが多くの人が訪れ、感嘆の声を上げるその光景も遠い昔から引き継がれ、そして続いていくのだと思うと感慨深い。(後日、連休中に機会があって東福寺を訪れたのだが比較にならないほどのとんでもない人出であった)

今回乗った路線

京都駅前(208系統)→東福寺 東福寺(208系統)→京都駅前(81系統)→竹田駅東口(南8系統)→御香宮神社

西大手筋(81系統)→京都駅前

使ったお金

一日乗車券:500円 拝観料:1000円(東福寺・方丈:400円 東福寺・通天橋:400円 御香宮神社・石庭:200円)

所要時間:約7時間

 

 

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